かすや通信ブログ

福岡県糟屋郡の地元情報サイト「かすや通信WEB」の公式ブログです。取材の裏側やお知らせなど書いています。

歴史発見ウォーク(志免町)

【スポンサードリンク】

f:id:nekota51:20180524174026j:plain
5月1日に、志免町の「神話と歴史を学ぶ会」主催の、歴史発見ウォークに参加しました。町内の歴史に詳しい方にガイド役をお願いしました。

糟屋郡志免町別府にある国鉄勝田線上亀山駅だった公園をスタートします。現在は遊歩道になっている線路跡を歩いていきます。


f:id:nekota51:20180524174451j:plain
遊歩道沿いには、「工」のマークの入った杭が多く見られました。これは線路には必ずある杭で、「工」は当時鉄道を管理していた「工部省」(現在の運輸省の前進)からとったものだそうです。勝田線の開通が1918(大正8)年なので、古いものはその頃に作られたそうです。


f:id:nekota51:20180524174925j:plain
明治時代に鉄道が作られるようになりますが、その目的は工業、運輸、軍事用に必要な石炭を運ぶためだったそうです。勝田線も宇美駅から吉塚駅まで、沿線の石炭を運ぶのと宇美八幡宮の参拝客を運ぶために作られたそうです。

近くには、1732(享保17)年に発生した享保の大飢饉餓死者供養塔が現存しています。テレビ時代劇「暴れん坊将軍」で有名な8代徳川吉宗の時代です。西日本を中心に98,000人が餓死し、250万人が飢えに苦しみました。



f:id:nekota51:20180524175329j:plain
1873(明治6)年、現在の志免町に初めて作られた亀山小学校の跡です。小さな公園になり、教え子が作った恩師の顕彰碑が残っています。2回移転して、現在の志免西小学校になりました。当時の児童は50人足らずで、「かめやま」ではなく「きさん」小学校と呼ばれていたそうです。


f:id:nekota51:20180524175739j:plain
志免町南里の県道68号線沿いは、江戸時代、明治時代は田畑しかないところでした。県道から300mほど入ったところに南里村の村落があり、現在は別の場所に移転している王子八幡宮や観音寺があったそうです。

写真は、江戸時代福岡藩黒田家家臣の武家屋敷の生垣跡ではないかと言われています。武士のたしなみとして、家の周りに細い竹を植えて、戦争で使う弓矢の矢柄を日ごろから作っていたそうです。

黒田長政が関ヶ原の戦功により、福岡に移封されたのが1600(慶長5)年です。ひょっとすると、この生垣は400年以上も志免町の歴史を見守っているのかもしれませんね。


f:id:nekota51:20180524181327j:plain

南里から運動公園に行く時に仮屋橋を通りました。橋の下の現在の橋げたの手前に、地面から少し顔を出している岩が、昔の仮屋橋の基礎だそうです。以前は、人間がやっとすれ違うことができる程度の橋だったようです。


f:id:nekota51:20180524181600j:plain
志免町の運動公園には、1916(大正6)年開坑の南里炭鉱がありました。南里炭鉱は、わずか数年で無くなりました。


f:id:nekota51:20180524181935j:plain
野球場のセンターのスタンドあたりが坑口だったそうです。グランドの周囲をゆっくり歩いていると、石炭のかけらが散見されます。


f:id:nekota51:20180524181956j:plain
志免町王子にある王子八幡宮です。ここには元々、竈門神社宝満宮と代官屋敷があり、後から王子八幡宮が移転してきたそうです。写真は、旧代官屋敷の土台と言われています。


f:id:nekota51:20180524182510j:plain
最後に、亀山小学校と同じ1873(明治6)年に建てられた楨幹(じょうかん)小学校の跡(志免町志免中央)に行きました。現在の志免町志免中央付近です。現在は賃貸マンションになっていますが、マンション前の地面にきれいに並べられた石は、小学校跡の石材を使っているそうです。大家さんの想いが偲ばれます。

f:id:nekota51:20180606080530j:plain
本日使った明治時代の志免町の地図です。青色が今日の道程です。亀山、南里、片峰などごく一部のみに民家がり、あとはすべて田畑なのがわかります。

約3時間半の道程でした。解説のKさん、ありがとうございました。


何気なく通っている街中に、こんなにたくさんの史跡、旧跡があるとは思いませんでした。大河ドラマや小説などで偉人のことを知るのも良いのですが、身近な地域や庶民にも歴史があり、その足跡を偲ぶことができるのは、県や役場の方の努力はもちろん、一般家庭の敷地内に大事に残されてきた方のおかげなんですね。


「神話と歴史を学ぶ会」では、多くの方が参加できる史跡めぐりを計画しているそうです。
また、会員も募集されています。
「神話と歴史を学ぶ会」は、志免町まちづくり支援室の登録団体です。興味のある方は、志免町まちづくり支援室にお問い合わせください。

志免町まちづくり支援室
〒811-2244福岡県糟屋郡志免町志免中央1-3-2(志免町役場 生涯学習1号館内)
電話番号:092-936-8626 Fax:092-936-8626
E-mail:collabo@town.shime.lg.jp